ロードセルからの荷重をシーケンサ(PLC)のADコンバータで取り込み計測する方法を
解説させて頂きます。
○使用機器
・ロードセルはユニパルス社の型式:UB1-20KNを使用
・ロードセルアンプはTEAC社の型式:TC11DCを使用
・シーケンサADコンバータはQ68AD-G(三菱)を使用
・シーケンサCPUはQ02UCPU(三菱)を使用
ロードセルは印加電圧に比例し、かつ、 ひずみに比例した
非常に小さい電圧信号が出力されるデバイスです。
非常に小さい電圧なので、増幅と、ゼロ点調整やスケーリング機能を持った
ロードセルアンプとセットで使うのが一般的です。
ロードセルアンプを使うと任意の点をゼロ点にし
任意の点をフルスケールに調整できます。
今回は、ロードセル:UB1-20KNとアンプ:TC11DCをセットで使うこととします。
○計測範囲:0KN~20KN
(ロードセル UB1-20KNの最大荷重が20KNなので)
○最終的に得られる電圧:0KN~20KN/0V~+10V
(ロードセルアンプを介して最終的に得られる電圧が
荷重0KNの時に0Vで荷重20KNの時に+10Vにするといことです。)
上のグラフの様な荷重に比例した電圧出力を得られる様にします。
○ロードセル UB1-20KNの主な仕様
型式 | UB1-20KN | |
定格容量 | 20K | N |
定格出力 | 2±0.1% | mV/V |
許容過負荷 | 200 | %R.C. |
非直線性 | 0.0166(typ) | %R.C. |
入力端子間抵抗 | 1100±50 | Ω |
出力端子間抵抗 | 1000±2 | Ω |
推奨印加電圧 | 5~15 | V |
ロードセル材質 | ステンレス |
○ロードセルアンプ TC11DCの主な仕様
スポンサーリンク○接続回路図
ロードセルアンプTC-11DCのロードセル入力端子にロードセルを接続し
TC-11DCの電圧出力端子をADコンバーターの電圧入力端子に接続します。
○ロードセルアンプの調整
ロードセルにかかる荷重0KNの時に0Vで、荷重20KNの時に+10Vになる様に調整します。
・ロードセルに印加(与える)する電圧の設定
今回使用するロードセルの推奨印加電圧が5V~15Vなのでロードセルアンプの
パネル上の切り替えスイッチを10Vにセットします。
・実荷重をロードセルに与えることができる場合の調整
この場合の調整は簡単です。
①無負荷(荷重を与えない状態)でロードセルアンプの『ZERO』調整トリマ(ボリューム)
を調整し電圧出力端子間(1番+)と(3番-)が0Vとなる様に調整する。
(18回転するトリマです。)
②できるだけフルスケールに近い荷重を与えます。
(いくら与えているか正確に把握している必要があります。)
たとえば20KN与えた場合は出力電圧が10Vになる様『GAIN V』調整トリマ(ボリューム)
を調整します。
③ ①、②を再度実施します。
・実荷重をつかわない場合の調整
実荷重を与えることができない場合は、内蔵されている校正用電圧を使用して
調整することができます。
①予め下式により、内部校正電圧(1mV/V)に換算した出力電圧を計算しておきます。
内部校正電圧(1mV/V)÷ ロードセルの定格出力(mV/V)× V(F.S) = 換算出力電圧
V(F.S):希望する出力電圧(ロードセル定格出力時)
今回の場合の計算 1 ÷ 2 × 10 = 5V 換算出力電圧は5Vです。
②無負荷(荷重を与えない状態)でロードセルアンプの『ZERO』調整トリマ(ボリューム)
を調整し電圧出力端子間(1番+)と(3番-)が0Vとなる様に調整する。
(18回転するトリマです。)
③ロードセルアンプTC11のパネル上のボタン(CAL)を押しながら、電圧出力が上記で
計算した5V(今回の場合)となる様に『GAIN V』調整トリマ(ボリューム)
を調整します。
④パネル上のボタン(CAL)を押さずに、電圧出力が0Vになる様に調整します。
⑤ ③、④を再度実施します。
これでロードセルアンプの調整は完了です。
ロードセルアンプの出力端子の電圧が
荷重0KNの時に0Vで荷重20KNの時に+10Vになりました。
○次はADコンバータの設定とラダープログラムですが
下記のページで詳細にADコンバータ Q68AD-G の使い方を解説しています。
お手数ですが下記ページの参照お願い致します。
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これでロードセルからの荷重をシーケンサ(PLC)のADコンバータで取り込み計測する方法
の解説を終了させて頂きます。
当記事は、2016年12月12日時点の情報です。ご自身の責任の元、安全性、有用性を考慮頂き、ご利用頂きます様お願い致します。
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