三菱シーケンサ QCPU 平均タクトタイム(装置稼働サイクル平均)のラダープログラム
実例で解説
装置1サイクルの動作時間の平均時間を算出し
タッチパネルに表示するラダープログラムです。
下の写真のイメージです。
○ラダープログラム作成条件
・シーケンサのCPUはQ02UCPUを使用(他のQCPUでも同じです。)
・パソコンソフトはGX-Works2 を使用
・タッチパネルはキーエンスVT3を使っていますが、表示させるだけなので
今回のテーマでは他メーカーでも同じです。
〇ラダープログラムの概要
インデックスレジスタ (ZR) を使用します。以降 ZRレジスタと表記
サイクルタイム確定でZRレジスタにサイクルタイムを保管します。
保管したサイクルタイムを合計し運転回数で割り算し平均サイクを算出します。
1回目の運転終了でそのサイクルタイムをZR0に保管します。
ZR0の値 ÷ 1 =平均サイクル です。
2回目の運転終了でそのサイクルタイムをZR1に保管します。
ZR0の値+ZR1の値 ÷ 2 =平均サイクル です。
3回目の運転終了でそのサイクルタイムをZR2に保管します。
ZR0の値+ZR1の値+ZR2の値 ÷ 3 =平均サイクル です。
4回目以降同じです。
〇欠点
この算出方法は簡単ですが
ZRレジスタの数とサイクル合計時間の限界に制限があるので
注意が必要となります。
〇利点
ZRレジスタにサイクルタイムが順次保管されていくので
ロギングができている。
【実際のラダープログラム作成例】
パラメータ設定
ZRレジスタでインデックス修飾できる様に設定します。
『PCパラメータ』→『PCファイル設定』で下記の赤枠の箇所
・下記ファイルを使用するにチェックを入れる
対象メモリ:標準RAMドライブ3
ファイル名:MAIN
容量:64K点
『PCパラメータ』→『デバイス設定』で下記の赤枠の箇所
・ZRレジスタのラッチ設定 ラッチ先頭:0 ラッチ最終:65535
・ZRデバイスのインデックス修飾 Zを使用にチェックを入れる
〇ラダープログラム作成
ラダープログラムの解説
1行目:サイクル動作中はM100がONするので1サイクルの時間をD22でカウント
2行目:1サイクルの始めにD22を0リセットする。
3行目:1サイクルの終了でサイクルタイムの値(D22)をZRレジスタに保管する。
4行目:ZRレジスタに1をプラスする。(次のレジスタにする)
5行目:D60にサイクルタイムをプラスしサイクル時間の合計を算出する。
6行目:サイクル時間の合計(D60)をサイクル回数で割ってタクト平均を算出する。
7~10行目:シーケンサの起動とタクト平均リセット条件で各デバイスを0リセットする。
11行目:サイクル時間の合計(D60)を600で割って分表示(D66)を算出する。
(不要かもしれません。)
12行目:データレジスタのカウント限界値手前で0リセットする回路です。
必要に応じて、各デバイス、サイクル時間の合計(D60)などを
タッチパネルに表示する様にします。
ZRレジスタにはサイクルタイムが保管されていきます。
『オンライン』→『モニター』→『デバイス/バッファメモリ一括モニタ』
ZR0:1回目のサイクルタイム(5.6秒)
ZR1:2回目のサイクルタイム(5.6秒)
ZR2:3回目のサイクルタイム(5.7秒)
以降省略
これで三菱シーケンサ QCPU 平均タクトタイム(装置稼働サイクル平均)のラダープログラム
についての解説を終了します。
三菱 シーケンサ QCPU インデックス修飾でZRレジスタにロギング
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当記事は、2017年7月14日時点の情報です。ご自身の責任の元、安全性、有用性を考慮頂き、ご利用頂きます様お願い致します。
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