三相誘導電動機(3相モーター)の皮相電力(VA)有効電力(W)
と消費電流(A)の計算方法について記載させて頂きます。
■皮相電力(VA)とは
皮相電力 VA=V(電圧)×A(電流)
交流機器に与えられた電圧と電流の積(V×A)で、見かけ上の電力
単位はVA (ボルトアンペア)
一般的にモーターやトランス等の交流機器の定格容量
上の写真は一般的な巻き線トランス(100VA)です。
■力率とは
交流の場合は、トランスやモーターなどのコイルに電流が流れると電圧と電流の間に
ずれ(位相差)が生まれ、位相差が大きい程、実際に使える電力(有効電力)
が小さくなります。
この実際の電力と皮相電力の比率を力率(cosφ)といいます。
力率(cosφ)=(実際に働いた電力/皮相電力(電圧×電流))×100(%)
力率は交流のみで、直流回路は全てが有効電力とります。
〇 代表的な機器の力率(参考値)
一般的なコンピュータ(パソコンなど)0.7~0.8
モーター 0.6~0.8
ランプやヒーター 1.0
(力率は個々に違いますので実際にはスペックを調べて下さい)
■有効電力(W)とは
皮相電力に力率を掛け算した値が有効電力
有効電力 W=VA×力率(cosφ)
実際に単位時間に電気機器によって消費される電気エネルギー
ちなみに上は私、管理人が持っている骨董品のモーター未使用品です。(余談でした。)
■実際の皮相電力(VA)の計算例
三相モーター 400W (力率は0.6とします)の場合の皮相電力は?
皮相電力(VA)=400(W)÷0.6(力率) = 667(VA)
■実際の有効電力(W)の計算例
専用コンピューター 200(VA) の場合の有効電力は?
有効電力(W)=200(VA)×0.6(力率) = 120(W)
■3相誘導電動機(3相モーター)の消費電流値の計算例
三相AC200V 5.5KW のモーターの電流値は?
※(力率と効率を合わせて0.7とします)
3相モーターの電流値を求める式
W =√3・V・I・Cosθ・η
(有効電力=√3・V・I・力率・効率)
5500 = 1.73 × 200 × 電流I× 0.7
5500 = 242 × 電流I
電流I = 22.7 (A)
※力率/効率は個々の機器により違いますので、実際のスペックをご確認下さい。
これで三相誘導電動機(三相モーター)の皮相電力(VA)有効電力(W)
と消費電流値(A)の計算方法についての記載を終了させて頂きます。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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当記事は、2020年4月13日時点の情報です。ご自身の責任の元、安全性、有用性を考慮頂き、ご利用頂きます様お願い致します。
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